新植または3年生までの若い苗の食害のパターンをよく観察していると、いくつかの事実が分かってきた。
1 コウモリガの饅頭様木くずは園地によって、少数見られる。被害樹は樹勢が抑制されるが、致命的なダメージにはなっていない。
2 クスサンによる食害は、若い苗には皆無。成木でしか見られない。これも、大きなダメージにはなっていない。
3 アカバキリガ, Orthosia carnipennis (Butler)、チョウ目(Lepidoptera)、ヤガ科 (Noctudae)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/fruit/apdb/lepN-Z/O_carn.htm
(若苗食害全体の40%)
ないしは
ウメエダシャク, Cystidia couaggaria (Guenee)、チョウ目(Lepidoptera)、シャクガ科(Geometridae)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/fruit/apdb/lepA-M/C_coua.htm
(若苗食害全体の10%)
の蛾の幼虫が確認できるものが約半数を占める。若葉全てを食べ尽くす勢いで、苗のダメージが大きい。
4 テントウムシが葉を食べているものが若苗食害全体の40%。かなり貪食でしかも芽の早い段階から食べられるので、これも被害が大きい。
以上の4つがその事実の内容。
けれども、このうち、4つめのことで園内を見回りつつ「星が6つのテントウムシってなんていう名前だろう?」と疑問に思っていた。
「そもそも、ナナホシテントウとかはアブラムシを食べてくれる益虫じゃなかった?」
「草食のテントウムシは害虫でニジュウヤホシテントウっていうんだっけ?でも星が6つしかないよね」
と言いながら、うろうろ。
で、世の中にはとても優秀な方がいてテントウムシの大きさや地の色、星の数から種類の見分けをしてくれるサイトがある。
http://www2.mus-nh.city.osaka.jp/learning/Ent/Ladybeetle-key/size.html
家に戻りさっそく6星で検索すると、、、赤地の黒6星に該当がない
゜o゜!
新種?いやいや、どうやら、なにか違う生き物なのかも、、、。
そういえば、楕円状でテントウムシほど丸くないかも。
そしてまたググってみる。ただ、まだグーグルにも画像から生き物を同定するようなサービスはないように思うので、少々難航。(あったらご存じの方、ぜひ教えて下され)
で、たどり着いたのが、シロさんとキッキさんというお二人が運営されているオンライン図鑑サイト。「専門家ではない」と前置きされていますが、写真がこれまでみた図鑑サイトのどれよりもわかりやすく、量・質・わかりやすさともすごいです(尊敬)。
わが栗園の憎き敵の名前もすぐに分かった(本当にありがとうございます)。その名も、、、
クロボシツツハムシ!
甲虫目 カブトムシ亜目 ハムシ上科 ハムシ科 ツツハムシ亜科 Cryptocephalus cignaticeps
〈参考文献〉
http://www.naro.affrc.go.jp/org/fruit/apdb/coleop/C_sign.htm
カブトムシのなかまだったんだね、あんた。パッと見はテントウムシに見えるよ。てっきり良い子のテントウムシさんだと、5年以上思っていたよ。だまされてたね。
私の戦うべき敵が新たに発覚したのだ。今度からは容赦しないよ(-_-)。
新苗を植樹しておられる方には、「アカバキリガ」「クロボシツツハムシ」のマークと逐次駆除(握りつぶす)をお勧めしたい。
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