栗の品種のおはなし -その5 倉方甘栗

丹波栗 栽培日記

今回はちょっと異色の中国グリ系から。{3F3EDB27-0839-4438-BB73-535A508A00CE}
これを一目で品種を当てた人は、日本でも有数のかなりの栗作り達人とお見受けします。その名も、倉方甘栗。まずは上から画像。利平に似たウブ毛と柱頭、そして濃いめの茶色と筋のない滑沢な表面です。茨城の大先輩篤農家、S氏よりご提供頂きました。ありがとうございます(*^o^*)

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そして横から画像です。中国グリ系らしく座が小さく丸いのでコロコロします。水分量は日本グリよりも明らかに少なく、高比重。糖度も高いです。特に、焼き栗には最高です。

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通常は10グラム台といいますが、写真は平均23グラムと中国グリ系としては、かなり大振りです。

茨城、愛媛等でかなり限られた栽培農家が作っておられます。中国グリ系ですので、穂木が中国グリ、日本グリ台木では接ぎ木不親和を起こしやすいと考えられ、台木も中国グリまたは倉方甘栗の共台が好ましく、新たに導入するには少しハードルが高いのかもしれません。しかし、一般に中国グリの樹木としての生命力は旺盛、頑強で、アメリカグリの再生にも中国グリ× Native American chestnut (アメリカグリ)の戻し交配種が胴枯れ等の病害抵抗性有力品種として用いられていることから、日本においても中国グリ系の品種の生産拡大は今後の栗栽培農家界の1つの方向になりそうに思っています。

来歴は、育種家の故倉方氏の選抜で、数十年前、山東省由来ではないかと思われるとのこと。(正確な出典を知りませんので、間違っているかもしれません。悪しからず。)


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