<農水省官僚ならびにJAの皆様に> 0度の氷蔵処理で、クリのくん蒸処理は不要になります。

栗に入る悪い虫達は、クリシギゾウムシと各種の蛾の幼虫が2大巨悪です。栗の味を台無しにしてしまう悪い奴らです。日本ではこれまで何十年と、この虫たちの退治に臭化メチルという毒ガスでのくん蒸処理を行ってきました。

 

ところが、このくん蒸栗がこの上なく不味かったのです。日本では栗収穫量で1973年63,100トンから2013年21,000トンまで3分の1にまで消費が減少したのです。韓国での栗栽培の台頭、日本人の嗜好の変化、共働きの増加、ライフスタイルの変化、剥くのが面倒などが栗消費の減少の要因として説明されてきました。しかしほんとうにそうだったのでしょうか?

 

しかし、美味しい栗もくん蒸によって風味がすっかり損なわれます。「不味いものは食べたいと思わない」 これが本当の栗ばなれの本当の原因です。私が「美味い栗を食べるには自分で栽培するしかない」と栽培を始めたのも、素朴で美味な”くん蒸していない”栗が食べたかったからでした。

 

しかし近年、よい冷蔵技術(恒温高湿庫や氷蔵庫)が普及してきて、実はこれらのくん蒸処理がなくても害虫対策が可能なことが分かってきました。その技術は、国立研究開発法人 農業・食品産技術総合研究機構 果樹研究所より公式発表されています。


http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/pub2016_or_later/files/shukamechiru_miteiko_201703_1.pdf

 

にもかかわらず、今でも沢山のヨウ化メチルくん蒸施設が各地のJAによって1施設何千万円もの国の補助金を使って建てられています。残念なことです。こうした予算があれば、大規模な貯蔵用恒温高湿庫ないしは氷蔵庫を設置できるはずですから、大変もったいない無駄遣いです。

 

農林水産省 消費・安全局植物防疫課防除班HPより

「臭化メチルは、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書締約国会合で、フロンなどと同様にオゾン層破壊物質として指定され、(中略)全廃すべきという動きが近年進んでおり、我が国においても、(中略)臭化メチル全廃に対して、代わりとなる技術の開発普及に取り組んでいます。」

 

ゾウムシや蛾の幼虫も”アカンやつ”ですが、臭化メチルは”もっとアカンやつ”です。特に食味に対して”アカンやつ”です。食味に関してはヨウ化メチルはもっとだめ。病院の臭いがします。

 



コメント

  1. chikanaga75 より:

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    全くですね。
    こういう資材の使用については、様々な視点から論じられるテーマです。
    しかし、欧州では禁止となった技術です。
    なぜJAが。既得権があるのでしょうかね。

    ぜひ、それを逆手にとって、臭化メチル燻蒸をしない美味しい栗を、ガンガンPRして販売して下さい!