クリの葉っぱがクルクル巻き、さて正体は?(オトシブミ!)

丹波栗 栽培日記
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この時季、このようにクリの葉がクルクル巻いていることがよくあります。さて問題、なんの虫の仕業でしょう?
 
ハマキガ類幼虫による食害、とお答えになった人は栗農家としてはなかなか筋が良いのですが、周辺の葉に食害が殆ど全くみられないことから、残念ながら不正解。
 
蛾の幼虫による巻き軸は葉の長軸方向が基本で、葉を食害しながら日々移動するので、周辺の葉に酷い食害の痕が見られます。時季ももう少し早い4月、5月がピークです。
 
それに対して、6月しかも巻き軸は短軸方向、食害を殆ど伴わない巻き物の正体は、開いてみると、、、
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ぐるぐるの葉っぱの中にはこんな黄色の卵がたったひとつ。虫はいません。此奴の正体は、、、

「オトシブミ」!!(甲虫目オトシブミ科)の卵。ゾウムシ上科に属する形態上もゾウムシの仲間。
 
広葉樹林では非常にポピュラーな甲虫にもかかわらず、あまり詳しく知られていない虫さんです。巻き巻きが上手なので鳥や天敵昆虫に強く、多産型の作戦を採ることの多い昆虫の中では例外的に少産型だとのこと。ひとつの卵の産卵ために親の成虫がこんなお部屋を用意するとは律儀です。そのため自ずと食害も殆どたいしたことにならないので、栗栽培では成木においては害虫とは言えません。農薬散布も不要です。
 
(※内容訂正のため以下追記しました)ただし、接ぎ木の穂木生育初期(4月末から5月)に穂木新芽にオトシブミ成虫が着くことがあれば、防除が必須と思われます。
 
クルクルが巻き物のようなので、オトシブミ、なんて洒落たお名前なんでしょう。心は平安時代枕草子の世界ですね。
 
今回は成虫の撮影ができませんでしたが、また機会を見てチャレンジします。


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