世界の焼き栗文化、焼き栗向けクリ品種

丹波栗 栽培日記

世界の各地に焼き栗を食する文化があります。イタリアではcastagna arrosto, caldarroste(カスターニャ・アッロースト)、トルコではkestane kebab(ケスターネ・ケバブ)など。

Photo:Turkish kestane kebab
日本と同様、ヨーロッパでもクリは品種や流通の状況によって食味にピンからキリまで大きな差異があるのが現実です。しかし、偶然に一度美味しい焼き栗を経験されるとやみつきになること間違いなし。
 
ヨーロッパグリCastanea sativa は日本グリCastanea crenataに比してよりナッツの風合いで、中型から大型の粒で、焼いた時に皮離れがよく、まさに焼き栗に適した品種です。

Photo: a sativa x crenata hybrid in California
こちらはヨーロッパグリと日本グリの交配種で、アメリカ生まれです。大型で美しい風合いです。純粋の日本グリに比して深いヒダが特徴的です。とても素晴らしく香ばしいフレーバーと上品な甘みのバランスが絶妙です。

Photo: another sativa x crenata hybrid in California 
こちらもまた違うヨーロッパグリと日本グリの交配種の断面です。筑波や銀寄など和栗の主力品種とは形も性状も全く異なることが分かります。こちらも食味良好で、大きさ・お味とも和栗の主力品種に負けていません。剥皮性は比べものにならないくらい剥きやすいです。
 
なかなか高いハードルである植物検疫のハードルを少しづつクリアしながら、こうした日欧米中の優良遺伝資源を活用して、長期的視野に立って日本人の味覚の嗜好に合った交配品種を育成していきたいと考えています。
 


コメント