クリの輸入の様子(続報)

丹波栗 栽培日記
2月にクリの輸入の様子の一部をブログでご紹介しましたが、その続報を少し。国の防疫所・隔離圃場にお預けしている舶来のクリ品種達が順番に展葉し出しました。
An American x Japanese x Chinese hybrid
日本グリとチンカピングリ(クリ属の中の種のひとつでアメリカ南東部に原産)、中国グリ、アメリカグリとの交配種です。樹勢は旺盛で、実のお味も良好です。現在のところ、とても元気に育っています。

北米大陸には約100年前に世界中から種々の作物が輸入されています。当時は園芸家や育種家が様々な植物を熱心に輸入しました。現在のようなしっかりとした植物防疫の仕組みがなく、苗木が容易に国境を超えた移動をできたからです。

その後、100年の時を経て、様々な園芸家の手を経て、複雑な交配種に熟成されていきます。

Japanese x Chinese hybrid 
こちらは、利平と同じような、日本グリと中国グリのアメリカでの交配種です。

日本でも、縄文時代の古来からクリの交配はおそらく繰り返されてきました。しかしながら、日本グリの遺伝的多様性は割合に低いため、日本グリ間で交配しても味や食べやすさで他と際立った性質の子孫は生まれ難い状況です。それに対し中国グリやヨーロッパグリ含むクリ属全体の遺伝的多様性は、国内でのそれとは比べものにならないくらい高いのです。






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