暖かさの指数と植生の変化を、皆子山の例で見てみるとこうなります

丹波栗 栽培日記
暖かさの指数と寒さの指数が栗の樹の健康にどのように影響を与えるかを、京都府最高峰の皆子山の栗林の様子の写真で感じてみましょう。
栗の大木が威厳をもって聳える皆子の標高900m、暖かさの指数96、寒さの指数14(真冬はマイナス気温で雪に埋もれる気候、推定値)
同じく標高900m付近の尾根筋の栗。平地で見る樹幹害虫やクリタマバチの虫えいは全く見かけません。皆子山西尾根は京都の奥座敷、静かな良い山です。(とても迷いやすい山ですので、慣れた方限定。地図とナビ必携。)
冬の皆子山西尾根、今年は暖冬で積雪少ない。

しかし、標高750mくらいになるとナラ枯れや栗の枯木が出現します。暖かさの指数108、寒さの指数7(真冬のマイナス気温は短い、推定値)
この標高以下になるとクリタマバチの虫えいもたくさん見るようになります。
標高600m台以下になると、空気は暖かくなりますが、昆虫害は増加して、ナラや栗は自然にこのような姿になります。栗の生育が自然には難しくなって行き、自然植生が落葉樹林から常緑樹林に移行していく様子が見て取れると思います。
暖かさの指数115、寒さの指数5(真冬に雪は積もるがすぐ消える程度、推定値)

実の大きさについては、栗の樹の健康状態とは違って、標高が下がって暖かくなるにつれて大きくなって行く傾向性があります。

栗の樹を見て分かるのは、麓と尾根筋で標高と気候が違うだけで同じ山とは思えないほどの健康状態と病虫害の違いです。温暖化による栗栽培への影響を感じて頂けたでしょうか?

冬の寒さ、寒さの指数10以下は照葉樹林帯であり、栗栽培では特に寒さの指数7あたりを境に、昆虫害による樹勢低下や枯死が一気に増大するので、農薬散布で対応するか、黄色防蛾灯、昆虫トラップ、耐虫性の品種選択など各種の手段で対抗するか、色々な工夫が必要になります。

<参考>
暖かさの指数 WI=Σ(Ti-5) [℃] 
Ti:月ごとの月平均気温
平均気温5℃以上の月だけを集計する。
寒さの指数 CI=Σ(Ti-5) [℃] 
平均気温5℃以下の月だけを集計する。CIは本来マイナス値ですが直感的に分かりにくいので、本文中では便宜的に絶対値で記述しています。

似た目的に使われている指標として挙げられるのはスペインの例。ガリシアでの7℃以下になる積算時間を見ます。彼らはこれが1000時間以上かどうかと干ばつの期間でⅠからⅣまで気候帯をゾーンニングします。


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