クリ枯死対策向け・コガネムシトラップの作り方ほか

丹波栗 栽培日記

コガネムシやドウガネブイブイの幼虫は広葉樹の根を食害して枯らせてしまうことがあります。これまで日本で栗ではあまり重要害虫とはされていませんが、海外では重要視され、先日の観察ではクリ幼木では、コガネムシ幼虫が枯死に繋がりうる(←先日の投稿)重要害虫だと再認識しました。特に、牛ふん堆肥など有機質肥料を多く施肥している減農薬圃場ではコガネムシ類の発生が増加しやすいため、注意を要します。

 
カミキリムシ幼虫、プラス、コガネムシ幼虫、さらに虫の持ち込んだ腐敗菌繁殖の“合わせ技で一本!”というケースも少なくないと見られます。

樹皮を剥く前の姿。
 
という訳で、クリ栽培でのコガネムシ対策について列挙してみました。お好みにより1)〜10)まで各種ございます。(あくまで私的備忘録ブログですので、一切内容に責任は持ちません。法的に無理なものも含みます。自己責任にて内容ご消化下さい。為念。)
 
1) 春にダイアジノン粒剤散布
 クリに農薬適用がないので、ちょっと無理。
 
2) 春4月にサッチューコートS、ガットサイドS等のMEP系殺虫剤の樹幹及び株元噴霧
 クリの農薬使用対策の中では、標準的。できれば無農薬でクリ栽培したいけれど、必要度と安全性のバランスでひとつだけ薬剤防除を選ぶとすれば、このタイミングですね。
 
3) コガネムシは朝晩に樹を揺らして補殺
 、、、結構効果はいいのでしょうが、これは大変。
 
4) 黒色灯電撃殺虫器も成虫退治には有効(←日本製ならこのパナソニック製品ですね。)
 電源が必要です。あと、万一の漏電への配慮もちょっと必要。間違ってホースで放水でもしようものならビリビリ感電ショックです。
 
5) コガネムシ誘引トラップその1(きな粉風味)
 農薬使用にあたるか、設置場所(園内か外構か)によりグレーゾーンか。昆虫モニタリングトラップと位置付ければ栗園内設置も問題ないと解釈して良いものかと思いますが、自己責任にてご使用検討下さい。
 
5)については、徳島県、愛媛県の昭和時代レシピの自家製コガネムシトラップについてこちらで詳しく解説がされています。(←出典: 田舎センセイ ムーさんのページより) 
 
ディプテレックス粉剤は生産中止なので他剤で代用します。レシピの出典元詳細を調べてみましたが、50年ほど経過してどうにも分からなくなっちゃっています。どなたかご存知でしょうか?当該研究をされた徳島県?愛媛県?の林業分野?の研究者各位の業績に敬意を表します。(著作元が分かればリンクしたいと思うのですが。)
 
6) コガネムシ誘引トラップその2(りんごバナナ風味)
 いわゆるストチューペットボトルトラップも配合により有効。100%りんごジュース100ml、酢30ml、焼酎30ml、砂糖30g、バナナ少量。ストチューカクテルはフルーツの味付けによって入る昆虫が大きく変わります。
 
7) 既製のフェロモントラップを購入
 高価で対象種が限定されるので、予算に余裕のある方限定。えらく高く付く上に、どう誘引剤を使うべきか、迷います。
 
企業ではJT系の富士フレーバーさんや出光興産さんがどうやら取り組まれるようですが、誘引剤モニタリングの方は、タバコ関連やゴルフ場のようにお金になる分野にしか目が向いておられないようで、果樹露地栽培のように国内では急速右肩下がりの分野はどうせ儲からないとあまり相手にしておられないです。(ちなみに余談ですが、蛾の交尾抑制に働く交信かく乱フェロモン剤スカシバコンやカミキリムシ対策のバイオリサカミキリなど魅力的製品群はあるのですが、極めて低収益性の栗栽培ではこれらは価格、費用対効果の面で使用困難なのが実情です。)
 
8)天敵活用。鳥の巣箱設置、鴨農法とか。
 他の虫害と共通で他の栽培品目がなければ、取り組みやすい対策です。
 
9)株元に忌避させる植物の植栽。水仙を植える。
 密植で数が必要と聞いたことがあります。効果のほどやいかに。
 
10)バイオトピア(線虫・スタイナーネマ グラセライ製剤)  
 ブルーベリーとハスカップ、甘藷などにしか適用がなく、栗では無理。
 
 


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