栗品種のはなし その4 利平 Story of Rihei chestnut cultivar

丹波栗 栽培日記





品種名: 利平

cultivar:  Rihei


岐阜県山県市高富町大桑(旧山県郡大桑村)の土田健吉さんが昭和15年頃に育成選抜されて、第2次世界大戦後の昭和25年に種苗登録された日本グリと中国グリの自然交雑種です。(KTロードホームページ、わたしたちの町 高富(高富町教育委員会)を参考にさせて頂きました)収穫期は銀寄の5日遅れくらいの中生の遅めの品種です。


Tsuchida K selected and bled the cultivar ‘Rihei’ in Gifu prefecture, Japan, in 1940, from C. crenata x mollisima natural hybrids.  Mr Tsuchida had searched and researched for delicious chestnuts with big size which is not behind Chinese C. mollisima in taste. He finally had bled a new Japanese and Chinese hybrid.  Rihei was named after the name of house of Tsuchida successive families.  It has been highly reputed in taste.  However, due to comparatively low yield it is not the most popular cultivar in Japan, the 4th.  South Korea also yields considerable amount of Rihei-like chestnuts.

(岐阜県山県市ホームページより抜粋)

利平栗は、旧大桑村の土田健吉氏によってつくられた栗の品種です。健吉氏は、中国産の栗に負けない、大粒でおいしい栗を求めて研究を続け、中国産の栗と日本産の栗をかけあわせて新しい品種の開発に成功しました。この栗は、土田家に代々伝わる「利平治」(りへいじ)の名から「利平栗」と名づけられました。


円に近い丸みがあり、花柱が長くてぴんぴんしているので、我が家では「波平さん」と呼んでいます。果皮の色調が濃く、美しいこげ茶色をしているので判別しやすいです。また頭側には人間の子供の産毛のような毛が密に生えており、中国グリ系の特徴を有しています。また、食味は栗の品種中で上位を争う高評価が一般的です。


写真のように30g台の大果となりやすい反面、成木一本あたりの収量はかなり少なめなので、農家のサイドからは経済性がとても悪く主力品種としては、採用されにくい傾向がありますので、実際には市場流通量はかなり少ないはずです。


ですが、大変ネームバリューがあるので、いわばマニア(愛好者)向けに偽ものが出回ることもめずらしくありません。以前、近畿地方の某中央卸売市場に個人的に調査してみたことがあるのですが、そこで扱われていた「利平」と書かれた栗の商品は「(あくまで)私が見た範囲では」、ほとんど本当の利平ではありませんでした(゜o゜;)!


というわけでみなさんも、どうしても欲しい場合は個人農家さんの直販で利平ばかりを作っておられているところ(稀少ですが、ネット上には存在します)での購入をお勧めします。そういう方は、熊本、岐阜には比較的多いように思いますが、兵庫では少ないようです。



コメント