[丹波地方の推奨品種]丹波地方では美玖里・紫峰・筑波・(銀寄)の組み合わせで!

丹波栗 栽培日記
美玖里
紫峰

私が13年間のあいだ、兵庫県丹波地方でいろいろな品種を一から植えて育ててきた経験をもとに、クリの栽培推奨品種についてお話します。あくまで経験に基づく個人的な意見ですので、ご参考程度にどうぞ。

まずは結論のおすすめの品種構成から。

美玖里30%・紫峰30%・筑波35%・銀寄5%。

筑波は、比較的安定した果実の品質、特に加工用、と、他を寄せ付けない圧倒的な収量、そして現代では重要な台風への耐性を誇りますので、やはり日本のクリ栽培の主力からは外せません。

そして美玖里。皆が認める卓越したお味と丹波では大粒の収穫が期待できます。欠点としては、充分なモモノゴマダラノメイガ対策(当園では防蛾灯を使用)が必要だということと筑波に比べると台風に少し弱いということ。剪定はやや高木での仕立てが向いているように思います。

紫峰はあまり広く栽培されていませんが、これも美味しい品種で、焼き栗にも好適。栽培上も丹波地方の土壌や気候には合っているようです。樹勢はほどほどで剪定も比較的やり易く、適切な剪定で大果が期待できます。

最後に、銀寄。土壌や気候的に丹波には合った品種で、堂々としてお味も独特のものがありますので、丹波地方としては完全には外せませんが、全体の5%にとどめるべきです。なにしろ風に滅法弱く、台風が直撃すると全滅します。最近では2年に1度は壊滅的なひどい被害を受けます。これでは、栽培の主力にはとてもできません。特に大規模な商業的栽培で銀寄を主力にすることは絶対に避けなければなりません。

補足として、早生を好む方は、国見。味を乗せるために、収穫後、キチンと3週間氷蔵熟成することが必須です。意見は分かれることは承知ですが、圧倒的大きさと病害の少なさは早生随一で、お味の問題は充分な熟成で相応に解決できます。

ぽろたんは、丹波地方では黒色実腐病が多発する園が多いので△か✖︎。

丹沢も、温暖化の影響か、丹波地方ではあまり成績が良くありません。

また、利平が好きな方は、収量は少ないですが、割合といい品質が得られますので、サブの品種としてはぜひやってみられても良いと思います。同じ中国栗ハーフでも倉方甘栗はもう少し寒い地方が合うのか、丹波地方ではあまり成績が良くありません。

以上、あくまで個人的な栽培経験に基づく丹波地方のクリ栽培の推奨品種のお話でした。(農業の取り組み方は百人百様です。異論をお持ちでも自然なことで、全然いろんな戦略があってOKだと思います。)

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