クリの畑のキノコはクリ農家の大切な仲間です(丹波栗栽培 hints#12)

丹波栗 栽培日記
クリの樹を育てている方で、クリの畑のキノコについて意識されている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?

実は彼らはクリ農家の大切な仲間たちなのです。
クリの樹の細根は菌類と共生してはじめて、有効に栄養を吸収できるのです。

キノコの生えるクリ畑はクリの樹が育つ良い環境が整っている証であり、菌類がない土地ではクリの樹は早晩枯れてしまうのです。

このようなキノコの類と樹木の共生関係が植物の成長に大切であることは、松の木ではある程度知られていますが、クリでそのことを意識している方は、私の知る限りではほとんどいません。何もキノコを畑に残しておきなさい、という意味ではなく、キノコが(地面から)生えるような土壌環境を保つようにしましょう、ということです。

除草剤の使用は、こうした豊かな土壌環境を崩してしまうので、基本的には避けるのが賢明です。そして使用方法にもよりますが、日本で多発する栗園での除草剤使用はクリの樹の枯死要因の1つになっている可能性が高いです。

ちなみにナラタケ病といって、ナラタケを樹木を枯らせてしまう病害とみなしてしまう人もありますが、基本的にクリの樹木がナラタケが原因で枯れることはありません。健全なクリの樹の根ににナラタケ菌を接種する実験をしてみればわかりますが、健全なクリは枯れません。

枯れたクリ樹幹にナラタケが生じることはありますが、これは原因と結果が逆で、樹木が枯れた結果ナラタケが樹幹まで拡がって材木を腐朽させていく自然の営みが引き続いて起こっているのです。




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