今回は、日本ではあまり栗栽培の教科書で議論されてこなかったテーマです。「穂木には、どのような枝を採取すべきか?」です。
“Q: What kind of scions should we select to graft chestnut cultivars for nut production?” “A: Utilize fruit bearing branches, not turions.”
徒長枝を穂木に用いた場合のあまり望ましくない若年木の例
A case of grafted tree using turion. Less productive during young ages.
栽培はじめに接木する際に、接ぎ穂に徒長枝が使われた場合、このように発育の良い枝が大量に発生して、なかなか数年間以上結果しないということが起こりやすくなります。
しかし、本当は栗農家にとっては枝は短めで、一方で結実良好で1、2年目から豊産であるに越したことはないです。果実生産用には、実がしっかり成れば、実がならないほど貧弱では困りますが、材木部分はできれば少ない方が好ましい訳です。
これが下の写真のような前年結果枝を主体に使えば、接木後の早期からなってくれるので、この選択は収量増加に重要な部分となります。とにかく穂木に徒長気味の枝は避けるのが肝心です。
前年結果枝を利用した穂木(中国での例)
Examples of fruit bearing branches for grafting.
前年結果枝を利用した穂木(中国での例)
Examples of fruit bearing branches for grafting.
ということで、初期収量を上げるために前年結果枝を穂木として採取してご自分で圃場で接木をしましょう。もしくは前年結果枝を穂木として利用する苗屋さんを選択するか。
コメント