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今の私たちの園内のかわいい丹波栗の子ども達です。品種によって小さなものもあれば、早生では少ししっかりとしたサイズに育ってきたものもあります。
今年の気候はここまで暖冬、遅霜、5月は日照時間不足気味、6月は降雨少なめ、と推移してきています。気候は一度たりとも同じ年はなく、毎年変わるものだという認識が必要ですね。
気候の温暖化に伴って、夏緑樹林帯から常緑樹林帯に気候帯が移るとクリ栽培は俄然難易度が増します。丹波市の平均気温は50年余りで13℃→15℃と約2℃上昇しています。上述の夏緑樹林帯と常緑樹林帯の境界が年平均気温で13℃くらいにありますから、現在の丹波市の大半は完全に常緑広葉樹林帯に属するようになったのです。このことは、栗樹を枯らさずに元気に維持することはそれなりに環境整備と健全育成の努力を要するということを意味します。
栗なんか適当に植えておけばどれでも自然に育って、手も掛からず、栽培は簡単でしょ?と思っておられる方があるとすれば、必ずしもそうではないですので、注意が必要です。もしも、簡単に育った例があるとすれば下記のような好条件がたまたま揃っていたということだと思われます。
温暖化に対して常緑樹林帯において少しでも栗樹を枯れにくいようにするためには、1)枯れにくい良質の台木選択、2)溜まり水をできるだけ避けること、3)適度な栄養の(やや富栄養の)pH6以下の酸性土壌、4)若芽を好む動物(鹿)や昆虫(ハムシや蛾の幼虫、オトシブミなど)を丁寧に防除すること、5)台木を1、2年圃場で育成してから圃場で目的品種を接木する方法(上記写真の3枚目参照、接木初年度の様子です)の利用、6)蔓性の雑草の防除、などなどが大切になります。
また一般実用化は少し先になるとは思いますが、研究者としては耐病虫害性台木の開発と実用化が進むことを期待しています。
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