各地の暖かさの指数(WI)、寒さの指数(CI)算出してみた

丹波栗 栽培日記
前回のブログにて現在の日本グリの代表品種、丹沢と筑波の至適温度帯(現状の実生台木という条件下限定)は
暖かさの指数 WI 95-105
寒さの指数 CI 5~10
 (2/9訂正)
と書きました。
(暖かさの指数と寒さの指数は吉良竜夫により提唱された指標で
45<WI<85 夏緑(落葉)樹林
85<WI<180、CI<-10 中間温帯林
85<WI<180、-10<CI 照葉樹林(常緑樹林)
に日本の自然の植生を分けるのに適した指標です。CIは便宜的に絶対値で示しています。詳しくはググって下さい。)

丹波市の2019年は、
暖かさの指数122、寒さの指数2
でした。では、日本の他の地域はどうでしょうか?代表値(2019年)を算出してみました。

茨城県笠間市 暖かさ114、寒さ3
熊本県山鹿市鹿北 暖かさ127、寒さ1
熊本県人吉市 暖かさ133、寒さ0
愛媛県大洲市 暖かさ138、寒さ0
長野県飯山市 暖かさ100、寒さ15
岐阜県中津川市 暖かさ113、寒さ5
石川県能登空港 暖かさ99、寒さ7
長野県伊那市 暖かさ101、寒さ8
長野県松本市 暖かさ103、寒さ9
新潟県上越市安塚 暖かさ98、寒さ11
栃木県日光市今市 暖かさ97、寒さ8
秋田県仙北市田沢湖 暖かさ85、寒さ22
岩手県二戸市 暖かさ80、寒さ20
北海道夕張郡 暖かさ69、寒さ35
山口県岩国市 暖かさ132、寒さ0

同じ地域でも標高が100メートル上がる毎に、指数が5~10程度変化(暖かさの指数低下、寒さの指数上昇)しますので、留意して下さい。

これらから、中津川、能登、伊那、長野市、松本市、上越、日光、あたりが日本グリ主力品種至適条件となってきているのが読み取れます。

特に、熊本、愛媛はWIが高値になってきています。全国的に、温暖化で収穫期の高温から収穫果の品質低下を来しやすくなっています。暑さに強い栽培品種の導入や腐敗果の少ない晩生種へのシフト、暖地用の台木開発、冷蔵技術、産地の標高の再考や北上などが迫られていると言えます。

寒さの指数が20を越す地域では、筑波や石鎚といった農林◯号系の品種や銀寄はうまく育ちにくいので、北海道在来品種(多くの日中交配種を含む)、西明寺系や倉方甘栗のような寒冷地に適した品種を選抜することが重要です。

また、寒冷地では暖地とは違って、目の詰まった良質の栗木材が出来るので、木材生産用の実生栽培する栗品種を育成することも大切になります。








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